CISPR−AV測定用受信機の新しい規定



妨害波測定装置に関する平均値測定用受信機の新しい規定について


. 今年(平成19年)7月、最近のCISPR16規格に準拠した妨害波測定装置の規格が、情報通信審議会から答申されました。この規格には、平均値測定用受信機の特性として、『間歇的、非定常的な、狭帯域妨害波に対する応答』という項目が、新たに追加されています。

この新しい規定に対して、“これまでの妨害波測定器の特性はどうなっているのか?”等の疑問が寄せられていますので、ここでは、この新規定の内容を解説し、あわせて、弊社の対応についてご紹介いたします。



 答申の内容
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妨害波測定装置に関する本年7月の情報通信審議会の答申から、平均値測定用受信機の特性として新しく追加された、『間歇的、非定常的な、狭帯域妨害波に対する応答』という項目を抜粋して参考資料1に示します。

この内容に関連した妨害波測定器の規格については、妨害波測定器はパルス性の妨害波信号を測定することが多く、このパルス性妨害波の測定レベルが障害の大きさに関連するように、妨害波測定器の検波には準尖頭値検波器という妨害波測定器特有の充・放電時定数をもった検波器が使われているのは、ご存知のとおりです。

この準尖頭値検波器回路の充・放電時定数は次の表のように定められています。

測定周波数帯

9kHz150kHz

150kHz30MHz

30MHz1GHz

充電時定数

45ms

1ms

1ms

放電時定数

500ms

160ms

550ms


さらに、レベルを読み取るための指示計の機械的時定数も下表のように定めています。

測定周波数帯

9kHz150kHz

150kHz30MHz

30MHz1GHz

機械的時定数

160ms

160ms

100ms


平均値測定のときには、回路の充・放電時定数は、もちろん上記の時定数とは異なりますが、指示計は準尖頭値測定のときと同じ指示計を用いることになり、指示計の機械的時定数は“上記の値と同じ”ということになります。

この指示計を用いた測定結果が、いわゆるCISPR-AVと呼ばれている測定値になります。平均値測定のときに準尖頭値計と同じ時定数の指示計を用いるという文章が、今回の答申に挿入されています。

また最近では、妨害波のレベル測定を行うときに、指示計の振れを読み取るだけではなく、記録計、データ・ロガー、デジタル・データ処理装置などのさまざまな記録装置を用いてデータ処理を行うことのほうが多くなっています。このようなデータ処理が行われるときに、回路出力をそのまま処理すると、指示計の機械的時定数は測定値に含まれないことになります。そのため、答申ではデジタル処理などの前に指示計の動きを模擬する指示計模擬回路を挿入することを要求しています。

このような模擬回路を通した信号をデジタル処理回路などでデータ処理を行えば、その信号レベルは指示計で読み取ったときの信号レベルと同じになるということです。

次に答申では、模擬回路を通った信号が指示計の示すレベルと同等になる模擬回路の特性を確認する方法を示しています。その方法は、妨害波測定器の入力に正弦波信号を間歇的に加えたときと、連続的に加えたときとの波形のピーク値の違いを測定する方法です。

答申の表10に定めた間隔とパルス幅で正弦波をパルス状に加えたときの出力のピーク値が、連続的に加えたときより9dB(偏差±1dB)低ければ、指示計模擬回路の特性は規定どおりになっている、ということになります。なお、答申のなかで示されている回路の応答例では、入力の信号が規定のパルス幅ではないため、出力波形のレベルの違いは−9dBにはなっていないことにご注意ください。

平均値検波器に関するこの新しい規定は、デジタル処理回路などを用いてデータ処理を行う最近の傾向を考慮して、指示計によらないデータが指示計と同じ値を示すような指示計模擬回路の特性を確認する方法を明確にしたものです。指示計模擬回路は従来からデータ処理の際には必要と考えられていたもので、新しい性能規格を要求するものではないと考えられます。


 弊社の対応

上で述べたように、平均値検波器に関するこの新しい規定は、指示計模擬回路の特性を確認する方法を示しているもので、新たな項目として性能規格を要求するものではないと考えられます。

指示計模擬回路は従来からデータ処理の際には必要と考えられていたもので、これまでも弊社の妨害波測定器の準尖頭値および平均値測定のレコーダ用出力は、指示形模擬回路を通した信号が出力されるように設計されています。したがって、以前からお使い頂いている妨害波測定器でも、回路変更などの改修は必要ありません。

現在弊社で所有しています妨害波測定器(比較的新しく'04年に製造したもので、CISPRで始めてこの規定を定めた後のものですが、この規定により設計を変えることはしておりません。)を用いて、弊社の妨害波測定器が今回の規定に合致しているかを、実験で確認した結果を参考資料2に示します。この確認実験の結果、弊社の妨害波測定器の特性はCISPRが要求する規格に合致していることが、今回の新規定による確認法によって確認されました。

これまで弊社が販売し、お使い頂いております妨害波測定器でも、この規格は満足しているものと考えておりますが、ご心配の方はお申し出頂けば、有償による確認測定を承ります。


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